私の薄毛のごまかし方

本気で育毛をしようと思った瞬間


学生時代から少しずつ髪の毛が抜けて行き、大学生になると、完全な薄毛になっていました。

特に額が広くなる薄毛なので、大人になれば貫録が出て良いのでしょうか、若い自分には耐え難いものでした。

私がやったのは、「薄毛隠し」です。

額の髪の毛以外の髪はふさふさしているくらいです。

そこでサイドの髪とバックの髪などを、上手に利用してふさふさの髪型を作り上げていきます。

最初はなかなかうまくできませんでしたが、性能の良いヘアスプレーなどをみつけるなど、スキルアップしていきました。

そしてどの角度から見ても、薄毛には見えず、なおかつ普通の風程度では髪型崩れないという「地毛で作ったカツラ」のようなヘアスタイルを完成することができました。

このヘアスタイルの難点は、セットに時間が掛かることです。

学生時代はいつも眠く、授業がある日もなかなか早起きができません。

本来ならギリギリの時間に起き出して、何もせずに学校に行きたいくらいです。

しかし髪のセットをすることはマストでしたので、大事な授業をキャンセルしても、ヘアスタイル作りを優先していました。

実際に何個か単位を落とし、留年のピンチを迎えたほどでした。

またこのヘアスタイルは、普通の風なら大丈夫ですが、台風のような風には負けてしまう程度の強度です。

基本的に風の強い日は外出できないということになります。

帽子をかぶるという手段もありますが、帽子を一度かぶると、ヘアスタイルはぐちゃぐちゃになるため、二度と脱ぐことができないという問題を抱えてしまいます。

またヘアスプレーやワックスなどの整髪剤の利用量が多いため、お金が掛かります。

学生で特にバイトもしていない自分にとって、お小遣いのほとんどが整髪剤に消えてしまうのは苦しいことでした。

こんな生活を送っていると、友達づきあいはできませんし、バイトもサークル活動もできません。

結果的に私は、ほとんど友達がいないまま卒業の時期を迎えました。

卒業式にはこれから卒業旅行に行くといった会話をしている、楽しそうな同級生たちがいました。

みんな楽しい学生生活を送ったんだなと思います。

しかし私は、卒業式が終わっても家に帰るだけです。

その時に「ばかばかしい4年間だったな」と心の底から思いました。

髪型でごまかすのではなく、本気で育毛をしようと思ったのはこの瞬間です。


洗髪中に薄目で鏡をのぞきこむと頭頂部にスポットライトが当たっている